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10月の論文紹介まとめ

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医局SNSでは適宜論文紹介を行っております。紹介する論文は、新しい論文で医局員がオモシロイと思ったものです。
10月に紹介された論文を、コメント共に紹介します。
ご興味ある方はぜひご一読ください。

10月5日に記念すべき第50回日本神経学会神経内科専門医試験が行われました。受験生の皆さん大変お疲れ様でした.吉報を祈念しております。症例問題でV180I 変異遺伝性Creutzfeldt-Jakob 病 (V180I gCJD)が出ていたということを耳にし、当医局の小澤正和先生の症例報告を紹介させていただきます。V180I 変異は本邦の遺伝性CJDで最多ですが、実は東アジアに集中しており、それ以外の国々ではほとんど報告されません。孤発性CJDでは脳波検査での周期性同期性発作、髄液検査でのNSE、14-3-3 tau,t-tauの上昇などが特徴的ですが、V180I gCJDは呈さないこともあります。CJDの髄液は感染リスクもあり病勢のメルクマールとしてフォローしていくことはリスクを伴います。小澤先生の症例ではMRIやIMP-SPECT検査が病勢評価として有用であったとのことです。

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2949918624000378

抗凝固薬下で再発した心原性脳塞栓症に左心耳閉鎖術が有効であったとの前向きコホート研究です。現状では左心耳閉鎖術は抗凝固療法が行えない症例にのみ適応となっていますが、脳梗塞再発予防のために更なる適応拡大が待たれます。
Maarse M, Seiffge DJ, Werring DJ, Boersma LVA, RAF, RAF-DOAC, CROMIS-2, SAMURAI, NOACISP, Erlangen Registry, and Verona Registry, STR-OAC LAAO Group. Left Atrial Appendage Occlusion vs Standard of Care After Ischemic Stroke Despite Anticoagulation. JAMA Neurol. Published online September 23, 2024. doi:10.1001/jamaneurol.2024.2882

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/article-abstract/2824065

hnRNP A1は本来核内に存在するRNA結合蛋白質です。細胞質へのmislocalizationが神経変性に関与することが指摘されていますが、今回MSのSlowly Expanding Lesionsにおいてhn RNP A1の異常が確認され、MSにおいても核内蛋白のmislocalizationが進行に寄与する可能性が報告されました。
Messmer ML, Ann Neurol. 2024. Online ahead of print.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39422285/

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

(著作権の関係で図はAcosta-Galeana I, Front Mol Neurosci. (2023). 1193636. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37475885/より引用)

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39422285/

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東京慈恵会医科大学 内科学講座 脳神経内科

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