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1月の論文紹介まとめ

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医局SNSでは適宜論文紹介を行っております。紹介する論文は、新しい論文で医局員がオモシロイと思ったものです。
1月に紹介された論文を、コメント共に紹介します。
ご興味ある方はぜひご一読ください。

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
新年1発目の論文紹介は少し変わり種(?)ですが、不整脈モニタリングに関するガイドラインになります。ESUSにおいて潜在性心房細動がある場合には植込み型心電計の挿入を提案しますが、体内に異物を入れることから抵抗感を示す方も少なくありません。そのような方にはスマートウォッチによる不整脈モニタリングをお勧めすることがありますが、本ガイドラインではスマートウォッチの弱点も記載されています。
そうしたことも興味深いですが、何よりも推奨度がハートマークになっているのが気になり紹介させて頂きました!
2024年日本不整脈心電学会/日本循環器学会 携帯型/装着型心電計の適切使用に関するコンセンサスステートメント, 心電図, 2024, 44 巻, 4 号, p. 275-307,

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jse/44/4/44_275/_article/-char/ja?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTAAAR1zmBUfIpY9fnnNZ7vGx10n_3cQxjZmENGDeYHcx20T4847YnWdhn6Q1SU_aem_uD2K-FbVR-NpEzoXEv9BOQ

手のふるえを来たす疾患として,パーキンソン病(PD)や本体性振戦(ET)が有名ですが,本邦では集束超音波治療が保険適応となっています。開頭を必要とせずに,多方向からの超音波を1点に集中させることで,特定の領域を熱凝固させることができます。脳の責任領域はまだまだ分からないことも多いですが,適切な治療部位を見つける努力が行われております。
Cheyuo, C., Germann, J., Yamamoto, K., Zibly, Z., Krishna, V., Sarica, C., Borges, Y.F.F., Vetkas, A., Kalia, S.K., Hodaie, M., Fasano, A., Schwartz, M.L., Elias, W.J. and Lozano, A.M. (2024), Probabilistic Refinement of Focused Ultrasound Thalamotomy Targeting for Parkinson’s Disease Tremor. Mov Disord, 39: 2004-2013.

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://doi.org/10.1002/mds.29965

脳底動脈への血栓回収のメタ解析になります。3か月mRSが血栓回収術群で標準治療群に比べて2.41倍高かった(95%信頼区間: 1.78–3.26, p<0.0001)一方で、症候性頭蓋内出血のリスクが増加(EVT群5% vs 標準治療群1%未満, p<0.0001)しました。
症状が軽度(NIHSS < 10)の患者や、時間経過が24時間を超えた患者、広範な梗塞を有する患者はデータ不足のため要注意、とのことでした。
4つのうち、3つが中国から(!)であり、アジア、特に後方循環はアテローム性が多いですが、それを含めてこれだけの有益性を示せていることは素晴らしいのではないかと思います。(作田先生より)
Endovascular therapy for acute vertebrobasilar occlusion (VERITAS): a systematic review and individual patient data meta-analysis
Nogueira, Raul G et al. Lancet, 405,10472, 61-69

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(24)01820-8/abstract?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTAAAR2GAzzzwllXOIqILFjR-hB800g5Tal3nKl5O_COvjrJMZYwAVvTzWv1pnE_aem_VwjyHgfXMbB3WuoRD3YbMw

脳梗塞の患者でいつから降圧すべきか問題を検証した論文です。高血圧症の既往があった人では発症1週間以内でも以降でも変わりないとのことでしたが、既往がなかった人では発症1週間以内に降圧薬を開始すると転帰が悪くなる傾向にあるとのことでした。高血圧の既往がない人での急性期の血圧高値は虚血による反応性の変化であり、やはり「水を差す」ような真似はやめた方がいいのかもしれません。
Treatment After Acute Ischemic Stroke by Hypertension History. Stroke. 2025 Jan 14. doi: 10.1161/STROKEAHA.124.049242. Epub ahead of print. PMID: 39807580.

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39807580/

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東京慈恵会医科大学 内科学講座 脳神経内科

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