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6月の論文紹介まとめ

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医局SNSでは適宜論文紹介を行っております。紹介する論文は、新しい論文で医局員がオモシロイと思ったものです。
6月に紹介された論文を、コメント共に紹介します。
ご興味ある方はぜひご一読ください。

今週は脳静脈洞血栓症に対するDOACvsワーファリンの試験です。DOACはワーファリンと比してVTEの再発や出血が同等であったとのことで、より管理が容易なDOACの選択を促す結果でした。
個人的に気になったのが、対象にはAPSが数%含まれていますがDOACが選ばれていた(!)ことが驚きでした。(Strokeチームより)
Direct oral anticoagulants versus vitamin K antagonists for cerebral venous thrombosis (DOAC-CVT):an international, prospective, observational cohort study van de Munckhof, AnitaAtaklı, Dilek et al.
Lancet Neurol, 2025:24(3):199-207

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39986309/

本邦から、パーキンソン病に対する画期的な治療法となり得る研究成果がNature誌に発表されました!
京都大学の研究チームが、7名のパーキンソン病患者さんの両側被殻にiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を移植し、入院や死亡につながるような重大な有害事象は確認されませんでした。
臨床的には、運動症状が約20〜35%改善し、機能画像でも移植部位でのドパミン神経活性が増加していることが示されました。
このニュースは多くのメディアでも大きく取り上げられ、当院外来でも患者さんからの期待の大きさを日々感じています。
1日でも早く、この治療法が実用化され、患者さんのQOL向上に繋がることを心から願っています。(PDチームより)

Phase I/II trial of iPS-cell-derived dopaminergic cells for Parkinson’s disease.
Sawamoto, N., Doi, D., Nakanishi, E. et al. Nature 641, 971–977 (2025).

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://www.nature.com/articles/s41586-025-08700-0

血栓回収術を予定している大血管閉塞(LVO)患者において、頭部挙上0度と30度とで神経学的転帰を比較したZODIAC試験の紹介になります。
結果、神経学的増悪や3か月後の死亡は0度群で有意に多い結果となりました。そこまで長い間ギャッチアップされたわけではない(約90-100分)のに、これだけの差がついており、頭部挙上による血流量の変化が、何とか耐えしのいでいるペナンブラにとってとてつもない影響を及ぼしてしまうことを実感させられました。この結果は救急隊も含め、脳卒中にかかわる人たちは全員が知っておくべきと感じました。
(strokeチームより)
Optimal Head-of-Bed Positioning Before Thrombectomy in Large Vessel Occlusion Stroke: A Randomized Clinical Trial.
Alexandrov AW, Shearin AJ, Mandava P, et al. JAMA Neurol. Published online June 04, 2025.

※詳細は以下のリンク先をクリックしてご覧ください。

https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2835054

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東京慈恵会医科大学 内科学講座 脳神経内科

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